ホリエモンが語る球団買収の裏側。「渡辺恒雄氏に挨拶に行けば……」 – ORICON NEWS

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現在はJリーグのアドバイザーを務め、スポーツとの関わりも長い。

2004年、大阪近鉄バファローズの買収を申し出た。買収の申し出を拒否されると、今度は東北に新球団を設立する計画を発表。最終的に参入は実現しなかったが、世間にその名が広く知れ渡り、一気に時代の寵児となった。
「Number Sports Business College(NSBC)」第20回のゲスト講師・実業家でSNS media&consulting株式会社ファウンダー堀江貴文氏と池田純氏との対話は、日本を騒がせた2004年プロ野球球団買収の話から、今注目するスポーツビジネス、そして日本スポーツ界への提言など多岐に渡った。

NPBの圧倒的な知名度が魅力的だった。

――堀江さんは2004年に近鉄バファローズ(当時)の買収をしようとしていましたが、何が魅力的だったのでしょうか。
堀江「当時のCFO(最高財務責任者)が大の野球ファンで、常々『うちの会社がでかくなったら野球チームを持ちたい』と言っていたんです。ちょうどダイエーが潰れた時期で、福岡のIT系の講演会の後に行われた懇親会に、ホークスの方がいて、『堀江さん、うちの会社を買収してくれませんか』と言われたんです。そういえばうちのCFOが『欲しい』と話していたことを思い出したんですが、さすがにうちでは買えない額でした。でも、ダイエーは無理でも買える球団はあるんじゃないかと思って調べていたら、近鉄が買えそうだと判明した。当時、近鉄も経営不振で球団を手放したがっていたんですよね」
池田「その頃売上はいくらぐらいだったんですか?」
堀江「40〜50億あったので買えるかな、という感じだったんですよ。そこで、証券会社経由でオファーを出したら、買収できるかもしれないということで、いろいろ調べ始めたんです。プロ野球はスポーツ新聞の一面はストーブリーグの季節も含めて、1年を通して大体、8、9割が野球。テレビも『プロ野球ニュース』など、ほぼ全局がプロ野球のニュースを毎日必ず放送する。12球団しかないからめちゃくちゃメディアに出る。しかも、社名が出るじゃないですか。圧倒的な知名度が魅力的でしたね」

プロ野球のブランディング効果について。

――NHKのニュースだって全部出ますからね。
堀江「調べれば調べるほど面白いことばかり。オリックスは『オリエント・リース』という会社だったんですけど、阪急ブレーブスを買収してから『オリックス』に社名変更するじゃないですか。
それまでは『オリックス』といってもあまりピンときませんでしたが、すごく立派な会社に見えた。世の中の人たちが信用するブランディング効果ってすごいなと。
さらに野球界について調査を進めると、かつては高校野球や大学野球の方が人気があり、それほど注目されていなかったプロ野球が変わったのは、長嶋茂雄さんが読売巨人軍に入団したことがきっかけだった。それで『これは巨人なんだ』、『プロ野球=巨人=ナベツネ』なんだと思って。
渡辺恒雄氏のところに挨拶に行けばよかったんですが……。そこまで調べきれていなかった。
正直、僕の中では『(近鉄を)買います』と言っただけで目的はほぼ達成されていて、そこまで考えが及んでいなかった」

当時の近鉄は「20億円くらい」だった!!

池田「いくらぐらいで買えそうだったんですか?」
堀江「20億ぐらい」
池田「20億で買えそうだったんですか? 僕らが横浜ベイスターズを買った時は100億ぐらい。今ならもっとかかりますよ」
堀江「それはみんなの価値が顕在化したからですよ。当時は、価値が顕在化してなかったので安かった。誰もプロ野球なんか見向きもしない衰退産業だと思っていましたから」
池田「僕らの時もそうですよ」
堀江「僕らの頃はもっと言われていた。でも、調べれば調べるほど安い買い物としか思えなかった。だからすごく自信満々でいろいろなことをマスコミの方にも言っていました。周りからは『なんでこんなバカなことをするんだ』と見られていましたけど、僕たちには確信しかなかった」

球団価格は当初の100億円が3倍以上に!

堀江「実は私たちは最初、三菱証券経由で買いたいというような話をしていたんです。そうしたら(近鉄が)オリックスと合併するみたいな話が出てきたじゃないですか。これで目はなくなったのかなと思ったら、5月か6月ぐらいに、楽天にいた小澤(隆生)くんから電話がかかってきて、『近鉄、まだ買えるよ』と言われた。
『おたくのボスはどう思ってるの?』と聞き返すと、『うちのボスはまったく興味がなくてやらない』と。
でも、私たちの知名度が急上昇したら、三木谷さんも、プロ野球のポテンシャルに気づいて、すぐに記者会見で新球団を設立する計画が発表されて。いきなり壮大にハシゴを外されましたから(笑)」
――池田さんはその10年後ぐらいにDeNAが球団を買収しました。
池田「僕らが買った時は80〜100億程度でしたが、誰も買いたくなくて、買った後も街の人も誰も見向きもしてくれなかった。完全に負け戦だと言われていましたよ。それが今では、おそらく200〜300億かけても買えないでしょうね」

もし「モバゲーベイスターズ」なら?

――DeNAも球団買って、すごいPRになりましたよね。
堀江「買った時に、『モバゲーベイスターズ』にしようとしてましたよね」
池田「してました(笑)」
堀江「よかったね。あれはナベツネに感謝だね」
池田「あの人、センスがあるんですよね。『モバベーだかなんだか知らないけど』って、彼の言った言葉が新聞の一面にドーンと載ったんですよ。それで一気に認知されたというか。彼が『モバゲーは許さん。会社名じゃないと許さん』と。モバゲーによって、DeNAベイスターズになったんですよ。そしてDeNAの知名度が広がって、ロゴ変更してブランド変更して、DeNAショッピングにかわり……。そういった意味ではナベツネすげぇな、と」
堀江「モバゲーベイスターズになっていたらどうなっていたんだろう」
池田「恥ずかしいですよね」
――堀江さんがベイスターズの視察に行った時、球団の状況を見て「これは面白いことをやっているな」と感じましたか?
池田「堀江さんの球団と僕のベイスターズ、もし同時期に存在していたら、プロ野球はもっと盛り上がっていたと思いますけどね。アプローチが違うからまた面白いというか。
DeNAはなかなかお金をいっぱいボンボン出してくれないので、自分でキューバに行って、安いけど有名な選手を獲得したり。でも、堀江さんはいつも僕とは全然違うアプローチをされるので」
堀江「結構普通に言ってますけど、ロジャー・クレメンスと契約する予定だったんですよね」
――ロジャー・クレメンスがナンバーワンの時代ですよね。
堀江「そうです。最後のキャリアを日本で華々しくやってくれと言って。クレメンスが来たらそれだけでいいじゃないですか。他にもシートの売り方などもいろいろと考えていてそれを説明していたんですが、みんな半分ぐらいは分かってくれなかった。でも、それは絵に描いた餅なのでどうしようもないですけど」

スポーツ界で買収に興味があるのは……。

池田「今はスポーツ関連の買収に興味はないんですか?」
堀江「どちらにせよオペレーションが出来ないので、1つの球団をオペレーションすることはやりたくないかな。いろいろなことをやりたいので。お金とやる気がある人がいたら手伝いますけど……くらいな感じです」
池田「最近はスポーツを見てますか?」
堀江「今、Jリーグのアドバイザーをしているんですよ。アジアチャンピオンズリーグの決勝戦は見に行きましたよ。
面白いとされているスポーツがどうなっているか調べるのが好きだから、いろいろ観に行っていますね。
プロ野球は今だと買収よりも新規設立の方が面白いんじゃないですか。プロ野球の16球団化構想もありますよね。4球団増やして16球団にしたほうがポストシーズンの放映権が高く売れる。それをまた各球団に分配できるからいいんですよ。
実は仙台に(新球団を設立することを)決めた時に、周りからは『仙台でできるの?』という心配する声もあったんですよ。でも、僕は余裕だと思っていたし、今、実際に楽天さんが余裕でできている。四国や北陸、東海など、あと4チームは作れますよ。
僕らが行ったことの1つとして新規参入のルールを明瞭化したことがあります。
新規参入はある一定の条件を満たしたら、NPBは受け入れざるを得ません。
例えば四国に新しいプロ野球球団が出来るとしたら、少なくとも四国の世論はほとんど追い風だと思うんですね。ポストシーズンが面白くなるのであれば、みんな応援するしかないので、絶対にうまくいきますよ」

独立リーグの球団もNPBに入れる!?

池田「独立リーグもいいんですけど、(プロ野球に)参入したいと言ってしまえばいいのに、と思うんですよね」
堀江「今、独立リーグは四国アイランドリーグとBCリーグがあって、BCリーグは10チームもある。BCリーグと四国アイランドリーグで、完全に受け皿になるんです。
しかも、実際に独立リーグに行った、独立リーグでしか採用されなかった選手は、またNPBに戻ったりする。
たとえば、四国アイランドリーグオールスターズはだいたい、NPBの二軍といい勝負。四国アイランドリーグの選手はプールがあって、エクスパンションドラフト等を行うと、最初は下位かもしれないけど強くなる。
楽天も最初は弱かったけど何年かでAクラスに上がれるようなチームになって、最終的には日本一にもなって……と実現したように、強いチームになることは可能だと思う。だから面白い」

「楽天にとられてすごく悔しいです」

――堀江さんと池田さん、お2人でやるのもいいんじゃないですか?
池田「僕も今やりたいかといったらちょっと違うんですよね。堀江さんがすごいなと思うのは、そういうことを明言すること。忖度して言わない人もいっぱいいる中で。そのへんのメンタリティは一体どうなっているんですか」
堀江「基本全部言ってしまうんです。いいアイデアを思いついたなと思ったら言うんです。そうすることで、いいことがいっぱい起こっていくんですよ。
うちの社員には『楽天にとられてすごく悔しいです』、『社長は悔しくないんですか』と言われるんですが、『まあ、いいんじゃないの? 楽天が入れて』って。『俺らみたいにはできないかもしれないけど、そこそこやるでしょ。少なくとも、既存の球団よりは全然やるだろうし、これはすごくいいことだよね』って。『俺らはまた次(のステージ)に行こうぜ!』といったような話をするんですけど。
もちろん、自分たちでやれたほうがベスト。でも、楽天が参入したことは僕らにとってもベターだから。1位にはなれなかったけど、世の中が良くなったなと思っています」

なぜ首都にビッグクラブが無いのか?

――お2人は野球以外にも、サッカーのJリーグにも関わっていますよね。
堀江「FC東京に怒られてしまうかもしれないけど、東京にビッグクラブがないでしょ。都心(23区)にビッグクラブが1つもないのはすごくでかいと思う。以前、川淵(三郎)さんは都心にクラブはなくていいとおっしゃっていたけど、多分、それって実現できなかっただけな気がするんですよね。どう思いますか」
池田「僕は東京にビッグクラブがあれば変わると思いますね」
堀江「Jリーグは開幕時がピークだと思っているんですよ。今、日本人1億2千万人に『Jリーグで一番知ってる選手は?』と聞いたら誰だと答えると思いますか」
――カズ(三浦知良)さんでしょうか。
堀江「そうだと思うんです。つまり、Jリーグは発足当時がピークなんですよ。50歳になった今も現役だというのもあるのかもしれないけど、カズさんがいまだにトップという事実は変わらずあって」
――フランチャイズの問題で企業名を出さないということも関係していたのかもしれません。
堀江「企業名を出さない哲学を貫き通すのはいいと思います。ただ、その見返りとして都心にクラブを持てなかったわけですよ。
もちろん、当時、土地バブルの最盛期だったので、都心に専用のスタジアムを作ることは無理だったかもしれません。様々な理由があるにせよ、そこが大きな問題であると思います。
だから僕はアドバイザーになった当初から、『とにかく都心に東京ダービーをやれるようなチームが2つ欲しい』と訴え続けているんです。200〜300億ぐらいの予算規模で回せるはずなので」

ヴェルディが都心で復活すれば……。

池田「ヴェルディって僕ら30〜40代、50代の中での記憶が強いから、復活劇が見られたらすごいですよね。それが都心に来て、ホームでも持った日には、結構なパワーになるんじゃないかな。
孫(正義)さんも(デビッド・)ベッカムと一緒にマイアミでサッカーチームを持ったじゃないですか。都内に作ればいいのに、と思うんですけどね。でも、もう日本じゃないのかもという気もするんですけど」
堀江「僕はそんなことないと思う。Jリーグはまだまだお買い得ですよ。絶対にみんな信じてくれないけど、10年後、15年後はヨーロッパよりアジアのクラブのほうがパワーを持っていると僕は確信しています」
――それはどうしてですか?
堀江「パワーとお金です。今は新興企業のオーナーがお金を持っていて、彼らがトップダウンで決断できるんです。アジアにはそういうやつらがごまんといるわけですよ。Jリーグも最初はそうでしたよね。マネーでジーコなどを引っ張っていたじゃないですか」
池田「あの頃に比べて、スターがいないですもんね」
堀江「今は一般人が知っているような選手は1人もいないですもん。コスパ重視で」
池田「でも、サッカー界の人はみんな知っていると思っているんですよ。もちろん、サッカー界はがんばってるんですけど、一方で発展の限界も少し感じます」
堀江「今はヨーロッパから、中国などアジアのクラブに選手が引っ張られていますが、ヨーロッパの選手からすれば、北京や上海とかバンコクでやるよりも、東京でやりたいわけですよ。子供の教育や食べ物、生活環境の問題を考慮しても。日本って一番人気がある。
その意味ではたくさんチャンスがある。
ただ、そこで思い切って投資をする人たちがいない。けっこういいバリュー投資なんですけどね。クラブが10年で10倍の時価総額になることもあると思うので。ビッグクラブがいくつかできるポテンシャルはJリーグにもありますよ」
池田「僕もいくつか話を持って行ったんですが、話が分かる人がいなかったです」
堀江「僕が2004年に『近鉄を買収します!』と言う前と同じ状況ですね」
池田「みんな気づいていないところに価値があるんですけどね」

日本ゴルフ界のポテンシャルは相当ある。

――プロ野球、サッカー以外で、堀江さんが今興味のあるスポーツは。
堀江「最近のスポーツニュースでホットだったのは、サイバーエージェントがゴルフのJGTOのチャレンジトーナメントの年間特別スポンサーになったことですね。これはけっこう大きな出来事だと思います。Abema TVが全戦中継しますが、あれは価値がある。日本のゴルフのポテンシャルは相当ありますよ」
池田「僕は、困っているものこそチャンスだと思います」
堀江「『助けてくれ』と思っているから入りやすいんですよね。そういうものを狙った方がいい。まだまだ価値が上がるスポーツはたくさんあると思います」
池田「これからはマイナースポーツの時代になると思いますね」






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