ソニー発の近接無線技術、苦節9年でIEEE規格に – 日経テクノロジーオンライン

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想定する利用シーンの例

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 近接無線通信規格「TransferJet(トランスファージェット)」の仕様策定や普及促進などを行う「TransferJetコンソーシアム」は、ソニーと日本無線、NTT、東芝と協力し、10Gビット/秒を超える近接無線規格「IEEE802.15.3e」の規格化を完了させた(発表資料)。60GHz帯のミリ波帯を利用する。例えば、4K映像やVR(バーチャルリアリティー)コンテンツといった大容量データの高速転送を想定する。通信を始めるまでの接続時間は2ms以下と短い。これにより、改札ゲートを通過しながらコンテンツを配信する用途を狙う。

 TransferJetはもともと、ソニーが開発した無線技術で2008年1月の「2008 International CES」で一般に初公開された。その後、大手電機メーカーやデジタルカメラメーカー、プリンターメーカーなどと、TransferJetコンソーシアムを立ち上げた。ソニーはTransferJet対応の通信ICを製品化。同ICを搭載したメモリースティックやパソコンなども発売した。ところが、デジタルカメラメーカーやプリンターメーカーが選んだ無線通信手段は、TransferJetではなく無線LANだった。無線LAN通信機能を搭載したSDメモリーカードやデジタルカメラ、プリンターの製品が普及し始めたころから、TransferJet関連のソニーの活動は徐々に縮小していく。入れ替わるようにして、TransferJetの普及促進に急速に力を入れ始めたのが東芝だったが、それでも状況は好転しなかった。

 そのような状況がしばらく続き、時間が経過していく。それとともに、TransferJetを後押しする陣営の顔ぶれも変わった。中でも強い関心を寄せたのがNTTである。同社のコンソーシアム参加は、2014年10月の「CEATEC JAPAN 2014」で明らかになった。このころから、TransferJetの次世代仕様の策定へと舵を切る。

 現行のTransferJetは、物理層での最大データ伝送速度は560Mビット/秒で,実効的なスループットでも最大375Mビット/秒。中心周波数は4.48GHz帯だった。これに対して次世代仕様では60GHz帯のミリ波を利用し、さらに高速化。IEEE802.15.3eの仕様では、変調方式256QAMによって最大転送速度13.1Gビット/秒に達する。

 今回の規格化されたIEEE802.15.3eを基に、TransferJetコンソーシアムでは「TransferJet X」として次世代仕様の策定を進める。TransferJet X対応のSoCの開発にも着手。ソニーセミコンダクタソリューションズと日本無線が組合員の高速近接無線技術研究組合で取り組んでいるという。






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