神木隆之介主演の『3月のライオン』はヒットするか?(日経トレンディネット)

Home » デジタル » 神木隆之介主演の『3月のライオン』はヒットするか?(日経トレンディネット)
デジタル コメントはまだありません



 前後編2部作となる『3月のライオン』がいよいよ公開となる。

 本作は人気マンガ家・羽海野チカ原作の同名人気コミックを、神木隆之介が主演した『るろうに剣心』シリーズで知られる大友啓史監督が実写映画化した話題作。羽海野チカの作品では『ハチミツとクローバー』がフジテレビの深夜アニメ枠ノイタミナでアニメ放送後に実写映画化されているが、今回も土曜23時のNHKアニメワールドですでにアニメ化されている。

【関連画像】(C) 2017 映画「3月のライオン」製作委員会

●深い孤独を抱えて将棋を指し続ける17歳の愛と成長の物語

 主人公は17歳のプロ棋士・桐山零(神木隆之介)。将棋に関しては、史上5人目の中学生プロ棋士になったほどの実力を持つが、9歳のときに交通事故で両親と妹を亡くし、父の友人の棋士・幸田柾近(豊川悦司)の家に内弟子として引き取られる。しかし幸田が才能ある零を特別扱いしたことから、幸田の実子で4歳年上の香子(有村架純)と同じ年の歩と微妙な関係に。やがて居場所を見つけられないまま、ある事情から幸田家も出てしまった零は、東京の下町で一人暮らしをしながら将棋を指している。

 深い孤独を抱えてすがりつくように将棋を指し続けていたある日、零は近隣の町に住む川本家の3姉妹、あかり(倉科カナ)、中学生のひなた(清原果耶)、末っ子の保育園児モモ(新津ちせ)と出会い、彼女たちとのにぎやかな食卓に居場所を見出していく。物語はこの三姉妹との交流や、ライバル棋士たちとの闘いを通して、零が深い孤独の中から愛を知り、本当に大切なことを見いだしていく様子を描き出す。

神木をはじめ、キャスティングにはおおむね好意的なファンが多い

 前後編を見終わって、まず感じたのが、原作の持っているメッセージ性をしっかりと踏襲し、それを丁寧に映画化した詩情豊かな作品に仕上がっていること。そんな映画の成否を大きく左右しているのがキャスティングだ。コミックの実写化では、原作が人気であればあるほど、批判される確率も高くなる。前述『ハチミツとクローバー』の際は、キャスティングで賛否両論が起き、映画の評価自体も分かれた(さらにその後のドラマ化でも賛否が分かれた)。

 その点、本作ではおおむね好意的なファンが多いようだ。とりわけキャスト発表時ではなく、実際に試写会などで完成作を見た人の感想では「適役」「はまっている」「最高のキャスト」「原作をリスペクトしている」など、おほめの言葉が多く並んでいる。

 なかでも見事に役を演じ切っているのが、主人公・零役の神木隆之介だ。黒縁メガネをかけたビジュアルもそっくりだが、それだけではない。大友監督はプロジェクトの初期段階でプロデューサーから「桐山零役は誰がいい?」と聞かれた際に、即座に「神木君」と答えたという。その理由について「ビジュアルもありましたが、やはり神木隆之介と桐山零の『子どものころからプロだった』というプロフィールが重なり合うことが大きかった」と述べている。試写を見てから「はまり役」だと感じた人の中には、そうした神木の役作りや演技に魅了された人も多いだろう。

●誰か分からないほどの染谷将太のなりきりぶり

 また、ビジュアルが発表された際に大きな話題を呼んだのが、特殊メイクを施して丸々とした二海堂晴信役を演じた染谷将太だ。そのなりきりぶりも素晴らしく、何の情報もなく二海堂の登場シーンを見た人は、きっと演じているのが染谷だと気づけないだろう。

 うれしいのはその神木と染谷という、若手の中で頭ひとつ飛び抜けている演技派同士の共演シーンが結構多いこと。決して演技と演技がぶつかり合うような手に汗握るシーンではない。二海堂がコミカルなキャラということもあって、むしろにんまりと笑わせてくれるシーンが中心だ。原作と比べて少々シリアス度が高まっているこの映画の中において、2人の共演シーンは一服の清涼剤のような役割を果たしている。

 なお、余談だが、二海堂という役柄は、昨年、松山ケンイチ主演で映画化された『聖の青春』の主人公・村山聖がモデルになっている。

【関連記事】



コメントを残す