2つのSLを満喫できる「日帰り1万円旅」とは? 鉄ちゃん記者が解説(日経トレンディネット)

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鉄道業界が一丸となった大プロジェクト

 東武鉄道でSLが復活するのは、東武鬼怒川線(栃木県)の下今市-鬼怒川温泉間。8月10日からSL「大樹」として1日3往復する。東京の浅草、北千住から東武の特急「スペーシア」「リバティ」で1時間30分程度とアクセスは良好で、日帰りで訪れるのに適している。

 このSL復活劇、実は東武鉄道だけで成し遂げられたわけではない。蒸気機関車の「C11 207」は、実はJR北海道で2000年から14年まで運行されていた車両。経営難などで維持できなくなった同社から東武鉄道が借り受ける形で本州へとやってきた。客車はJR四国から購入した旧国鉄の14系を使用。最後尾に連結され、急勾配区間でのSLの力不足を補うディーゼル機関車DE10はJR東日本から購入。SLと客車の間に挟まる黒い車掌車はJR貨物とJR西日本から1両ずつ譲渡された。ちなみに車掌車といっても車掌が乗っているわけではなく、東武線を走るのに必要な保安装置などを搭載するために用意されたものだ。

 さらに、SLの運行に不可欠な乗務員の訓練にも、多数の鉄道会社が協力した。機関車を貸し出すJR北海道の他、SLの運行では先駆者である大井川鉄道(静岡県)、さらには同じ首都圏にあり、ライバルとも言える秩父鉄道、真岡鉄道までが手を差し伸べた。鉄道業界が一丸となった大プロジェクトだったのだ。

SLのために機関庫や転車台も用意

 とりわけ東武鉄道がSL復活プロジェクトにかける熱意には並々ならぬものがあった。出発駅となる下今市駅は、昭和レトロ風に全面改装。SLのために機関庫が新設され、SLを進行方向に向かせるための転車台も用意された。これは山口県の長門市駅にあったものだ。さらに小規模ながら、展示施設「SL展示館」も作られ、実際に東武鉄道を走っていたSLの写真などが展示されている。乗車前に必見だ。

 SLへの乗車にあたっては、乗車券に加えて大人750円、子供380円の座席指定券が必要。東武線の各駅や主要旅行会社で購入できる。残念ながら、東武の「特急券チケットレスサービス」には対応しておらず、インターネットからの予約はできない。

 客車は前述の通り、JR四国から購入した。ここ5~6年はほとんど使われておらず、東武に譲渡されてからリニューアル工事が行われた。とはいっても、あえて約45年前の製造当時の姿に復元されており、青いモケットのリクライニングシートには懐かしさを覚える人も多いのではないか。原型と異なるのは、トイレが洋式に改修されている点。このあたりはやむを得ないだろう。

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