RX400シリーズのVR事情を最新環境でチェック

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最新パーツ性能チェック
第207回

RADEON RX470がVR用でコスパ最強!?

 この冬、ボーナスが出たらマイPCで念願のVRMHD環境を構築しようかと計画している人も少なからずいるはず。国内流通量もサポート体制も少しずつだが改善しており、店頭での実機デモで感触を確かめられる機会も増えて気分が盛り上がってきた今こそ買い。

 だがご存じの通りPC用VRHMDはシステム要件の敷居が高い。特にGPU(グラフィックボード)は、少し前まではRADEONだとRX290以上、GeForceならGTX970以上と高めのスペックが要求されていたが、10月にOculus Riftは新描画技術(Asynchronous Space Warp:ASW)を採用したことでGPUの要求スペックは1ランク下げられた。具体的にはRX470またはGTX960以上となったのだ。

今回使用したグラフィックボード。左から「STRIX-RX480-O8G-GAMING」(実売価格4万1500円前後)、「STRIX-RX470-O4G-GAMING」(実売価格3万1200円前後)、「STRIX-RX460-O4G-GAMING」(実売価格1万9500円前後)

 そこでASUS製のRX460/470/480カードを用意し、それぞれのカードでHTC ViveやOculus Riftがどの程度動くのかを考えたい。前編となる今回は、現在入手できるVRベンチで検証を行なう。

 まずは今回の検証環境を紹介しよう。今回はRADEON RX400シリーズとVRの快適度の関係を探るのが目的だ。Core i7-6700Kを選択している。

CPU Intel「Core i7-6700K」(4GHz、最大4.2GHz)
グラフィックボード ASUS「ROG STRIX-RX480-O8G-GAMING」(RADEON RX480)、「ROG STRIX-RX470-O4G-GAMING」(RADEON RX470)、「ROG STRIX-RX460-O4G-GAMING」(RADEON RX460)
マザーボード ASUS「Z170-A」(Intel Z170)
メモリー Crucial「BLS2K8G4D240FSA」(DDR4-2400、8GB×2)
ストレージ Intel「SSDPEDMW400G4X1」(NVMe SSD、400GB)
電源ユニット Corsair「RM650」(650W、80PLUS Gold)
OS Windows 10 Pro 64bit DSP版

小手調べの「SteamVR Performance Test」

 まずはSteamアカウントを作れば無料で試せる「SteamVR Performance Test」を使ってみる。このテストではVR環境における快適さを“忠実度”の高低という形で表現している。つまり忠実度の高い=よりリアルで快適ということだ。それでは各RADEONの結果をご覧いただこう。

SteamVR Performance Testの実行風景。Portalシリーズに登場するロボットがラボでメンテナンスを受けるというシーンだ


RX460の結果。見て分かるようにVRを楽しむにはほど遠い性能


RX470は、快適とは言えないがVRはできる、という表現


SteamVR Performance Testでは、RX480のみが“VRレディ”判定を獲得

 このベンチの結果画面で一番大事なのは、一番上のゲージよりも、一番下の「90fps以下のフレーム」だ。ご存じの方もいると思うが、現在のPC用VRHMDは90fpsをコンスタントに出せるシステムでないと、VR酔いが出やすくなるとして推奨外としている。その点ではRX470はVRが百点満点ではないにせよVRできるGPUであることが示されている。さらに言えばRX460と470の間にはどうにも埋められない深い谷が控えているのだ。

 だがSteamVR Performance TestはCPUパワーをあまり使わない(GPUさえ強力なら簡単に“VRレディ”判定がとれる)といった欠点がある。そこで登場するのが「VRMark」だ。

「VRMark」でより詳しくチェックする

 VRMarkとは「3DMark」でおなじみFuturemarkが先日リリースしたばかりのVRベンチだ。テストは“Orange Room”と“Blue Room”の2種類があり、前者はViveやRiftといった現行のPC向けVRHMD環境が要求する描画ができるか否かのテスト、後者は今後登場するであろうハイスペックVRHMDを想定したより重いテストとなっている。つまりOrange Roomでよい結果を出せるか否かがポイントだ。

 さらにこのベンチでは、要求スペックの下がったOculus Riftに適合するか否かの判定もできるようになっている。Orange RoomもBlue Roomも平均109fpsを上回っていればViveやRiftに対し好適と判断でき、それ以下のシステムでも平均81fpsを達成できれば、Riftで新たに提示された(敷居の下がった)要求パワーを満たしていると判断できる。スコアーの大小も大事だが、ターゲットとする平均fpsからどの程度離れているか見ることが重要なのだ。

 ちなみにVRMarkはSteamで1980円というお手軽価格で販売されている。ViveやRiftを勢いだけで買って「しまった!」となる前に、買って試してみるのもよいだろう。VRHMDを持っていなくても実行できるよう配慮されている。

ViveやRiftに適したPCかどうかを見るのに使える「VRMark」。“Orange Room”で再生されるシーンは3DMarkの“Time Spy”でも使われている

未来のVR環境を想定した超々ヘビー級ベンチが“Blue Room”。内容はOrange Roomと似ているが、オブジェクトの数が大幅増量されている

RX460の結果。平均fpsは左下に表示されている。70fps台はVRHMDは動かせるものの、パワーがまだ足りないことを示している

RX470の結果。スコアーの下に「Super」と出ているのは、Vive環境でも快適に遊べるほどにパワーがあることを示しているようだが、Superの下にどんなランクがあるのかは現時点では不明

RX480の結果。RX400シリーズの中で最速なだけに、平均109fpsのハードルを軽々とクリアしている

 現行VR環境をターゲットにしたOrange Roomテストでは、RX 460のみが不適、RX 470と480については問題ないという判定が出た。実際のゲームでの検証は次回に譲るとして、この結果を見る限りはRX 470以上を買っておけば、VRは十分楽しめそうだということが分かる。

RX460でOrange Roomを実行した際のフレームレートの推移。Riftの最低要求性能を満たす81fps(下の太いグレーのライン)を上回ったのはほんの一瞬だけ

RX470でのフレームレート推移。上の太いグレーのラインは、Vive環境を想定した平均109fpsを示している。RX 470だと一瞬だけ下回っただけだ

RX480ともなれば、どんな時も109fpsを下回ることはない。VR環境に没頭したいならRX 480の方が良いことは間違いない

ちなみに、今回一番スコアーの高いRX480でBlue Roomを実行した。平均25fpsという惨憺たる結果になったが、これで悪い結果が出ても、現行VRHMDには何の関係もない

VRベンチではRX470以上が吉と出た

 今回はVRベンチだけにターゲットを絞ってRadeon RX400シリーズを比較してみた。スペック的にも劣るRX460が不適格なのはまあ当然として、VRMarkではRX470でも十分Viveに対抗できると判定された。VRHMDは欲しいが、グラフィックボードに予算が回らない……という人には朗報ではなかろうか。

 だが今回の検証と評価は、あくまで2016年11月下旬時点におけるもの。さらに言うならVRベンチの結果と実際のVRタイトルの快適さは必ずしも一致しない、という2点を忘れてはならない。ご存じの通りRADEONは最適化を積み重ねることで性能を伸ばすことが話題になっっている(radeon x DOOM記事のリンク)。まだ最適化が十分でないVRタイトルではVRMarkのように行かないこともあるのだ。

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