「電力性能比が改善した」、AMDがアピールするZenコアの5つの機能(AMDは新CPU「Ryzen」でどう巻き返すのか)

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 前回に続いて、Zenコアの内部構造を解説する。今回は主に省電力機構に関する部分である。

5種類の新しい機能を実装したZenコア

 米AMDは2016年12月に発表した「Technology Update」の中で、Zenコアには5種類の新機能を搭載することを明らかにした。「Pure Power」「Precision Boost」「XFR(eXtended Frequency Range)」「Neural Net Prediction」「Smart Prefetch」と名付けている。

 この5種類の技術は全て独立しているわけではなく、性能/消費電力比(電力効率)を改善する技術、性能を改善する技術、性能の改善により省電力化を可能にする技術が交ざっている。これらは、大きな枠で考えれば電力管理に関係する機能とみなせなくもない。

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上は米AMDのプレゼンテーション資料。下は機能名を抜き出した画像。強いて分類すれば、「Pure Power」は省電力化、「Precision Boost」「Neural Net Prediction」「Smart Prefetch」は性能改善による省電力化を狙うもの、「XFR」は純粋にピーク性能を高めるもの、となる。

(出所:米AMD)

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個体差を勘案して消費電力を限界まで下げる

 まずはPure Powerだ。一般論としてCPUなどに利用されるトランジスターには、特性のバラつきがある。特に製造プロセスを微細化するとバラつきが大きくなる傾向があり、様々な技法でこれを押さえ込もうとしている。しかし、ある程度のバラつきが生じることは避けられない。

 このバラつきの影響を抑えるために、トランジスターの性能ぎりぎりまで特性を追い込んだような設計はせず、ある程度のマージンを持たせて使う設計にする。例えば3.6GHzで動作させるのに、あるCPUはぎりぎりまで追い込むと0.82Vで動作するとする。しかし別の個体では0.83Vかもしれないし、さらに別の個体は0.88Vかもしれない。そこで、マージンをとって0.9Vで動作させるわけだ(動作電圧が高めの方が高い動作周波数で動く可能性が高い)。

 ただし、0.82Vで動作するCPUにとっては、ぎりぎりのケースに比べるとより高い電圧で動作しているわけで、その分消費電力が増える。そこで、それぞれのCPUの個体に合わせて、動作するところまで電圧を下げよう、というのがPure Powerである。




このループは、Zenが稼動している間は常に回り続け、電力管理を行うことになる。

(出所:米AMD)

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縦軸は電力、横軸は性能。Pure Powerを使うと、同じ性能をより低い電力で得られるという。

(出所:米AMD)

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