ニンテンドースイッチとHD振動とVR

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ニンテンドースイッチとVR技術

Joy-Conの図

ニンテンドースイッチのコントローラーは、1つだったコントローラーが2つに分離して、2人で対戦して遊ぶのにも使えます

いよいよ発売直前となった、任天堂の新ハード「ニンテンドースイッチ(以下スイッチ)」、みなさん予約しましたか? ニンテンドースイッチは据え置きハードでありながら、外に持ち出して、遊べてしまうという面白い機能を持ったハードですが、それだけではありません。目玉の機能の1つにHD振動というものがあります。

ニンテンドースイッチのコントローラーは「Joy-Con」と言いまして、既存のコントローラーと同じような形態をしているように見えて、それがさらに2つの小さいコントローラーに分かれて、別々に使えるという不思議な機能を持っています。その2つのコントローラーには、それぞれ振動機能がついていて、しかもこれがHD振動という、とても繊細な振動を表現できるということで注目を集めています。

実はこのHD振動というのは、VRに関わる技術が使われています。VRというと、ヘッドマウントディスプレイを思い浮かべる人がほとんどだと思いますが、ヘッドマウントディスプレイを利用した映像表現というのは視覚に関するVR技術です。仮想現実、つまり仮想の世界を現実のように体験するにあたり、五感を騙す手法として1番インパクトがあるのは視覚なわけですが、例えば聴覚を騙す立体音響もVRには欠かせない技術です。同じように、触覚に関する技術もあります。

HD振動とは?

1-2-Switchの図

本当に球が入っている、入っているだけじゃなくてまさしく画面のように中で動いていることが感触で分かります

まずは、スイッチに搭載されるHD振動とはどういうものか、お話しましょう。これはもう「百聞は一触にしかず」とでも言える代物なんですが、体験した人が感じるのは「確かにそこに在る」ということだと思います。

分かりやすいのは、スイッチ本体と同時発売の「1-2-Switch(ワンツースイッチ)」に収録されているミニゲーム「カウントボール」でしょう。Joy-Conを箱に見立てて、これを振り、中に何個のボールが入っているかを当てるシンプルなゲームです。

これがですね、振ってみると、確かにこつこつとした感触があり、コントローラーの中に何かが入っているような感じがします。上下に振ってみたり、少しずつ傾けたりしていると、複数の球が入っていると言われれば、確かにそんな感じがするのです。そして何個入っているか入力し、正解している方が勝ちになります。

面白いのは、正解発表をした後、Joy-Conの中に何個の球がどのように入っているかが、表示される場面です。手元のJoy-Conを動かすと、画面上の箱が動き、その中の球も動いて周りに当たります。その画面を見ながらJoy-Conを振ってみると、間違いな中に球が入っていて、画面の通りに動いているという感触が得られます。

HD振動とハプティクス

ニンテンドースイッチの図

ニンテンドースイッチに搭載されたことで、技術にもスポットライトが当たります

このように、デバイスに触った人間の皮膚に刺激を与えて、触覚のフィードバックを得ることができるようにする技術を「ハプティクス」と呼びます。HD振動ではこのハプティクスの技術が使われているものと思われます。

広い意味では、HD振動に限らず、多くのゲーム用コントローラーに採用されてきた振動機能は、ハプティクスであると言うことができます。そしてこの技術は、単に震えるだけでなく、特定の感触を再現する目的で研究が進んでいます。

ニンテンドースイッチに搭載されているHD振動は振動だけですが、ハプティクスの技術の中には、電気的な刺激を与えることによって、触ったものの質感を変化させる技術などもあり、多彩な触覚刺激を再現する研究が進んでいます。

そういった中で、HD振動という形でニンテンドースイッチが採用したことで、大きく注目が集まっているんですね。

技術に注目が集まる時

PSVRの図

PSVRが開発された経緯と、ゲーム業界全体のムーブメントは面白い形で繋がっていました

さて、話はちょっと横道にそれるんですが、ここでPSVRについて少しお話したいと思います。PSVRというものがどういう経緯で出発したか、ご存知でしょうか? PSVRの最初は、モーションコントローラーのPSMoveでした。PSMoveが発売された時、ソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)のサンタモニカスタジオで、開発者がプロジェクトとしてではなく、自分達の興味関心から、これを頭に乗せてヘッドマウントディスプレイと組み合わせた実験をしたところ、とても面白いゲーム体験が得られた、というところからスタートしています。

PSMoveの原型は、2000年に開催された「EyeToy」の技術デモで使われている棒状コントローラーだと考えられますが、製品化される際のゲーム業界の流れには、Wiiによるモーションコントローラーのムーブメントが大きく関係していることは間違いないでしょう。

モーションコントローラーの技術はかなり前から存在し、Wiiが登場することでムーブメントが起こり、ゲーム業界全体がモーションコントローラーの可能性について追求する中でPSMoveも登場、そしてそれがPSVR誕生のきっかけとなる、というめぐりあわせは、大変に興味深く感じます。

ものごとが動いていく際に、そういう技術がある、研究がされている、という段階から、世間から注目が集まり、リソースが注がれやすくなるという段階があるということを考えると、ニンテンドースイッチがHD振動という形でハプティクスにスポットライトを当てたことは、ちょっと面白い流れが生まれるかもしれない、という期待感があります。

ゲームはもっと面白く

スプラトゥーンの図

今後も色んなタイトルが登場していく中で、HD振動の面白い使い方も増えてくるかもしれません(イラスト 橋本モチチ)

ニンテンドースイッチそのものがVRに対応する可能性があるかと言えば、任天堂の君島 達己社長は、インタビューなどでVRに関する可能性を完全に否定してはいません。ただし、現時点でニンテンドースイッチをVRに対応される予定は全く発表されていません。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、2017年2月27日に、PlayStationVRの販売台数が全世界で91万5千台に達したことを発表しました。ハードの販売規模と比較すると、PlayStation4は全世界5,000万台を超えているので、いかにも小さくは感じられますが、一方で、先行して発売されているライバル機種の「Oculus Rift」や「HTC Vive」と比較すると、後発ながら既に倍以上の差をつけ、ハイエンドVR市場のトップを独走中という状況でもあります。また、PSVRの販売台数は出荷台数に大きく制限されている状況で、出荷されれば即完売の品薄状態が今も続いています。

スイッチが発売され、HD振動をより多くの人が体験すれば、話題になることも増えるでしょう。また、HD振動は1-2-Switchだけでなく、今後多くのスイッチ向けタイトルで活用され、その可能性をさらに広げていくこととなるはずです。それは、新しい技術に注目を与え、VRの世界にも良い刺激となるかもしれません。

一方で、PSVRがさらに生産体制を整え、コンテンツを充実させ、VR酔いなどの対策にも取り組み、より多くのユーザーにVRの楽しさを届けていけば、これもまた、任天堂を含めた多くのメーカーに、その可能性を示唆することとなるでしょう。

国内市場では、据え置きゲームハードは非常に厳しい状況ではありますが、新しいハード、新しいデバイス、新しい遊びが次々に登場しています。それぞれがお互いに刺激を与え、ゲームがもっともっと新しく、面白くなっていくことを期待したいですね。

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【関連サイト】
田下広夢の記事にはできない。(ゲーム業界ニュースガイド個人運営サイト)






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